FXはよく、ハイリスクハイリターンと呼ばれております。
確かに、高すぎるレバレッジをかけ、大きく利益を出そうと大きな勝負に出れば、
ハイリスクハイリターンになるかもしれません。
しかしながらFXは怖いと決めつけてしまうのは早計かと思います。
ハイリターンを求めればハイリスクなのはFXに限らず何処も一緒です。
FXを正しく理解し、きちんとリスク管理をすれば怖くはありません。
その為に、残高以上の損失を防ぐ為の決済制度が設けられていますし、
上手にリスク管理をする為に多様の注文方法もあります。
きちんとリスク管理をすれば上手に運用する事は可能です。
これから、FXをする上で必要な知識や分析のテクニック、
リスクを管理する考え方などをお伝えしていきたいと思いますので、
一緒に学んでいき、上手なFX運用のノウハウを身につけて頂ければ幸いです。
必要証拠金とは、FXにて為替取引の注文をする際に、
必要な担保の事を指します。
何を担保にするかと言いますと、
開設した証券会社の口座に入っている残高です。
FXの取引の際には取引数量(Lot)に基づいた必要証拠金が必要であり、
口座の残高から証拠金として取引に必要な分の必要証拠金が取引中は拘束され、
それを担保に資金の何倍もの取引が出来る仕組みになっております。
ですので、取引量に必要な証拠金以上の残高が無いと取引ができません。
基本的に、大抵の証券会社が設定する必要証拠金は
取引する必要な日本円の4%となっております。
(証券会社によって違う場合もございますので、各証券会社のホームページにて
必要証拠金の事前確認をお願い致します。)
この4%とは、持つポジション数を日本円で換算した金額の4%を指します。
この4%について例を挙げながら少し細かくご説明致します。
例えば、
為替レートが1ドル100円。
FXで10,000ドルを注文するとします。
この時、注文したい10,000ドルを日本円に換算すると
10,000×100(円)=1,000,000円になります。
計算結果の1,000,000円の4%
40,000円が必要証拠金として必要な額になります。
つまり、証券会社に40,000円の残高が有ればそれを必要証拠金として
10,000ドルの注文が可能であるという事です。
必要証拠金は言わば担保なので、ポジションを保有している間は
口座の残高の内、必要証拠金分は拘束されます。
ポジションを決済すると拘束は解除されます。
簡単にまとめると、
為替取引の際に本来だと必要な金額(日本円)の4%分が手元にあれば、
それを担保にして証券会社からお金を借りて、為替取引が出来るという事です。
取引に必要な必要証拠金に対する資金的な余裕は証拠金維持率
(※証券会社によって表記が違う事がありあます。別名称例:証拠金維持率)
で表わされます。
必要証拠金維持率は%で表され、基本的には
口座残高÷必要証拠金
で計算できます。
次回に詳しくご説明しますが、証拠金維持率は常に100%以上無いと
安全に取引はできません。
ですので、口座残高が必要証拠金ギリギリで取引をするのではなく、
必要証拠金が発生していても、口座残高に余裕のある取引をしなければなりません。
証拠金維持率に対する計算表記や表現方法は各証券会社によって異なる事
もありますので、取引前に要確認は必須です。
ここで、証拠金維持率に対する基本的な計算の考え方をお伝えします。
例えば、
・口座の残高が¥500,000
・USDのポジションを持つ
・取引単位は10000から
・USDの必要証拠金は$10000につき、¥41,000とします。
上記条件の下、これからUSDをレバレッジ10倍で取引するとします。
レバレッジ10倍(取引するドルは$100000)となる為、
必要証拠金も10倍の¥410,000となります。
この場合の証拠金維持率は何%でしょう?
証拠金維持率は先ほどもお伝えしましたが、
口座残高÷必要証拠金
で計算できますので、
¥500,000÷¥410,000=約1.22
証拠金維持率はおよそ122%となります。
ここで把握しておかなければいけない事があります。
それは、ポジションを保有している最中は暫定ではありますが
口座残高が変化するという事。
持っているポジションのレートはリアルタイムで変化しますので、
それと同時に現段階での含み益、含み損が変化します。
その損益を含めた結果、
「今、決済すると口座残高がこの額になります」
という意味の残高が表示されます。
この残高表記は証券会社によってその表現する言葉が違います
(例 時価評価総額 純資産 など)ので、
自身が開設している証券会社の取引画面で確認下さい。
ここでは、口座残高(暫定)と表現させて頂きます。
そしてこの額が、証拠金維持率を計算する際の分子になります。
その事も考慮してポジション保有中の証拠金維持率を計算する場合は、
口座残高(暫定)÷ 必要保証金
となります。
つまり、
レートの変動による含み損益によって口座残高が影響を受け、
含み益が発生している場合は口座残高が増え、証拠金維持率は上がります。
逆に、含み損が発生している場合は口座残高が減がり、証拠金維持率は下がります。
後程詳しくお話ししいたしますが、
FXには大抵の証券会社が追加証拠金制度という制度が設けられており、
証拠金維持率が100%以下になると、証拠金維持率を期日までに100%以上に戻すよう
要請が来ます。
期日までに、証拠金維持率を100%以上にしないと強制決済が執行され、
損失が確定してしまいます。
つまり、証拠金維持率が100%以上でないとポジションを所有し続ける事が
出来ないと考えて下さい。
ですので、証拠金維持率に余裕を持った取引がリスクを下げ、
安全に取引を行う為には必要です。
安全な%ラインなどは存在しませんが、
証拠金維持率150%以上は常に維持していたいですね。
200%あれば先ずは安心ではないかと思います。
含み益のイメージ図
含み損のイメージ図
もちろん、取引のページに自動計算されたリアルタイムの証拠金維持率は表示
されますので、その都度自身で計算する必要はありませんが、
必要な知識ですので、しっかりとその意味を把握しておきましょう。